微熱と微頭痛でグッタリしているところへ、まるでワクチンのようにキラーストリートが届いた。
 一日前倒しだが、CDショップなどではたいがい発売日前日には店頭に並べるらしいから、Amazonでも不思議はない。

 Label 1は普通のプレーヤーで聴いたのだが、L 2はこれを書きながらWMPで聞いている。そうしたら、なぜかTrack 11から再生されたので、Track 1から再生しなおしてWMPを最小化した。
 ん?もう、♪雨上がりにもう一度〜をやってる…チキショー!ランダム再生になっていた。このアルバムでは曲間のミュート秒数も工夫したそうだというのに、台無しである。

 この度のリミテッド版には桑田師匠御自らのライナーノーツがあるというので、楽しみにしていたから、L 1を聴きながら(じゃ、やっぱり聞くレベルか)ざっと読んでみた。

 最初の「からっぽのブルース」は曲名からいって早川義夫(ジャックス)さんの「からっぽの世界」の影響を受けた曲かと思っていたけれど、影響を受けたのは歌詞の一部に五木寛之「大河の一滴」からだそうだ。音学蒙昧の (P_^;)が言うのは噴飯ものだが、たしかに曲調も歌詞の世界も違うし、どちらかというと両極に位置する作品だと思う。ということは、つまり同軸上なのだが。
 「からっぽの世界」は制作時年齢からいっても「若気の至り」あるいは「若書き」が生み出した(特定層にとっての)傑作のような気がする。つまりはポップス性が希薄ということで、それは「からっぽのブルース」にしろ一連のエロイ黒い作品群といえどもポップス性は豊かだし「危うさ」を感じさせない、桑田佳祐のある意味で弱点を垣間見させるようだ。

 最終曲「ひき潮」…ミュージシャンとそのファン層の多くに老化現象が避けられなくなってきているおり( -""-)、なんちゅう淋しいタイトル付けるんだっちゅーの(\.Y/.)(\.Y/.)
 しかし実際に聞いてみると、この引き潮はやはりロックだったし、ライナーノーツには6/8拍子の「栞のテーマ」系の曲とあり、ある意味「栞のテーマ」は絶対に超えられないと思ったから趣向を変えた…というのは、栞のテーマは(も)凄いと思い続けているファンにとって、まさに聞き捨てならぬ曲である。

 「ひき潮」と同じような意味で嬉しかったのは、LONELY WOMAN 「この曲が、アルバムの中で一番好きかもしれない」という呟くような一説。シングル発売当初から、愛と欲望の日々の強烈なインパクトの影に隠れて目立たないが、いい曲だなあ好きな歌だと言い続けてきた身にはファンには嬉しくてたまらない。やっぱ佳祐はオレと好みが一緒じゃん、てなもんである。
 なお、英語補作詩をしている岩本えり子とは、旧姓桑田えり子さんだということを初めて知った。いとしのエリーの「エリー」は姉のえり子さんからということは聞いていたが、なぜか思いも寄らなかった。でも、なぜLONELY WOMANの補作詞を?

 アルバムタイトルとなったキラーストリート、クレジットに歌詞が無いから印刷漏れかと思ったら、Track にもヴォーカルが入って無いというミキシングミス!? ライナーノーツがあったからいいようなもの、でなければビクターとタイシタレーベルに苦情のメールヾ(*`Д´*)ノ"彡☆ ケシカラン!! の一本ずつも出していただろう。
 これでつくづく思い知らされたのは、やはりあのヴォーカルあってのサザンオールスターズだということ。桑田佳祐という楽器が無ければ、どんなにいい曲でも印象に残らない。

 さらに、から揚げと蕎麦のTrack の末尾にキラーストリートReprise が、ちょびっと僅かな歌詞付で入っているのは、次のFRIENDS に渡すキラーパスとして熟練のお手並みを感じるが、いかんせん殆ど聞き取れないヴォーカルはあんまりだ。そこのパートを抽出してサウンド編集ソフトを駆使し、なんとかヴォーカルをまともな音量にしたい誘惑に駆られる。入り口辺りをコチョコチョばかりしていると、たいがいの女性は焦れに焦れるものだが、思えばずいぶん酷なことをしていたものだと、反省。
 しかし、キラーストリートは3×3オールスターズのヴォーカリストには楽でいいだろうな、ほかのバンドメンはキツイだろうけれど。

 BOHBO No.5 はサウンドアレンジ的には一番肉厚になったという。「パワー楽器のてんこ盛りで、各プレーヤーが腕によりをかけたアレンジや演奏でアルバム中最高にハイパーでソリッドでストロングな曲になった」「ライヴでこの曲を再現する時、トランペッターはキツ過ぎてほとんど死ぬそうだ」という曲をコピーするのも3×3オールスターズは大変だろうなと思う(ヴォーカルは案外苦しまずにこなせそうだが)。
 BOHBO No.5をやったという情報はまだ聞いていないが、3×3大丈夫だろうか…バンドにトランペッターはいないから死者が出ることはなさそうだが。

 ここで取り上げている曲はライナーノーツを読んだりしてたまたま浮かんだ想いを綴るためのものに過ぎないが、アルバム全体を通して聞いてみると、あらためて原坊のヴォーカルの貴重さが耳に染む。鮨の合間につまむガリといっては役不足だが、生臭いコッテリした鮨の合間につまむからこそ、ガリの味わいがより美味く感じるのだという意味として。

 作詞作曲ともに旦那なのだが、夫の作った歌を歌わせたら彼女の右に出るものはいない、のはやはり夫婦だからだろうか(なんだか変な文だな)。
 山はありし日のまま…妻として母としての山の神を髣髴させる彼女のヴォーカル
リボンの騎士…エロイ歌詞でも原坊が歌うと少しも卑猥に感じられないのは定評あるところだが、色気だってちゃんと感じられる。エロではなくエロス、それも癒しのエロスか。一見、女性の気持ちを作詞しているようだが、そこに感じられる女の色気は原坊のヴォーカルによるもので、詞そのものは男の願望を表したものだ。そして、それは原坊のヴォーカルに誘われ、エロスの海へと漕ぎ出して行く…
  男の船が櫓を漕ぐ時
  女の海に潮が満ちる

  

 KILLER STREET のリリースから十日が過ぎた。そこそこ聞いてはいるけれど、家でプレーヤーにかけての鑑賞となるとLabel一枚でもジックリ聴けることは殆どない。やはりモバイルのヘッドフォンでの方が聴く機会はだんぜん多くなる。
 ところが、PCでiTunes は使い出しているが、iPod などはまだ購入していないから、もっぱらMDでノーマル80分がやっとこさの状況(あとで気が付いたがLP2・LP4モードとあって、LP4はかなり音質が劣化するがLP2なら殆ど変わらず160分可能)。
 モバイルとしての使用ならなるべく1枚にまとめたいので、チョイスして77分くらいのアルバムを組みたい。
サザンのベストアルバムを77曲ならともかく、77分に収めるなどは完全に不可能だが、KILLER STREET 二枚組からならなんとかなりそうだ。オリジナルアルバム曲だけを選別して77分以内に収まるならいいが、口惜しいことに二曲ばかりはみ出てしまう。すると、その(撥ねる)二曲が気に掛かる、ある意味ベスト2ということだから。
 で、オリジナルアルバム曲を主体にし、シングルカット曲から数曲を選んだ分を差し替えることにした。これならオリジナルから篩い落とす曲も4〜5曲になるから、かえって楽なのだ。
 次に、PCからMDへは光デジタルで送るのだが、この夏買い換えたばかりで初めて気が付いたことにプラグが角型だった。家にはノートのときに使っていた丸型しかない。

 えい、メンドクサイ! CDを焼いてしまえ。CDからならMDへ倍速でコピーできる。
 かくして、計らずもKILLER STREETマイベスト(オリジナル曲とシングル曲のベスト版の意味も持つ)CDが出来上がってしまった。

曲目に「ごめんよ僕が馬鹿だった」を入れ忘れてしまいました。
実際のCDにはNo.11に「ごめんよ僕が馬鹿だった」が入っており、以下1番ずつずれて全曲数も18となります。